ハムステッド・ヒースの北部にある真っ白なお屋敷、「Kenwood House」へ行ってきました。
いかにも英国貴族のお屋敷といった風情、品格の漂う美しい建物です。
「ノッティングヒルの恋人」をはじめとした多くの映画やドラマの撮影地にもなっています。
お屋敷の歴史は17世紀に遡ります。まず、初代マンスフィールド伯爵が土地を購入、その後18世紀半ば、伯爵の依頼により、当時、人気建築家であったロバート・アダムスが建築したものだそうです。しかしながら、その後20世紀に導入された相続税のために第6代伯爵が屋敷や敷地の一部を売却することとなり、その際に多くの家具家財が売りにだされ、ケンウッドの敷地も存続の危機にさらされました。
そんな中、1925年にギネスビール社の初代会長であるエドワード・セシル・ギネス(アイビー伯爵)が、屋敷と残されていた敷地を購入しました。多くの絵画コレクションを所持していた伯爵は、そのための屋敷を購入したようでした。彼の死後、ケンウッド・ハウスは国へ寄贈され、現在は歴史的建造物を保護する「English Heritage」という機関が管理しています。
文化遺産に相応しい貴族の館、なのに入場は無料でした。
入り口は南正面の裏手にあります。中へ入ると、その日はボランティアのガイドさんと思われる人たちがバッチを首から提げて、迎えてくれました。
元パイロットだったというお爺さんが、親切にこの建物の歴史を教えてくださりました。
日本にも数回行ったことあるよ、とても素敵な場所だったと温かい声をかけて頂いて思わず笑顔になりました。
こじんまりとしたお屋敷ですが、館内には、レンブラントやフェルメール、コンスタブル、ゲインスバラ、ターナーなどの著名画家の絵画のコレクションがあり、とても見応えがあります。
名画も素敵だったのですが、一番印象的で素敵だったのは、図書室エリアでした。内部の装飾が本当に美しく、特にパステルカラーに色どられる天井は息をのむ美しさです。
それほど広いものではないのですが、品の良い図書室で、図書室好きにはぐっときました。