銀座ウエストと言えば銀座を代表する老舗喫茶室です。
ワンランク上のおみやげの定番として人気な「リーフパイ」や赤いいちごジャムがのった「ヴィクトリア」は
間違いなく美味しいですが、銀座ウエストは、ただの東京の観光地やお土産屋ありません。
特に銀座本店は、今年創業70周年を迎える銀座ウエストのスピリットが脈々と受け継がれる、
喫茶室、というよりも、文化的サロンという言葉が相応しいかと思います。
パリッと純白なテーブルクロスがかけられたテーブルや日本人の体型にぴたっと寄り添い包み込んでくれる特注のイス。
頻繁に生け替えられるみずみずしい季節の花。そして付かず離れずの心地よい接客。
銀座ウエストは、喫茶室となってから定時になるとクラシックレコードを店内に流す「名曲の夕べ」を開催するようになりました。
ただ単に音楽を流すだけでなく、解説を付けるという当時としては画期的な試み。
又、銀座ウエストを愛する方々から寄せられた詩とエッセーのアンソロジーである「風の詩」は昭和22年ウエスト創業時より続いているお客様の投稿コーナーです。
おいしい飲みものだけでなく、プラスアルファの付加価値のある特別なお店として名を馳せ、「文化人」が集う喫茶室へと成長していったのです。
現在でも「銀座ウエスト」本店の喫茶入り口左手キャビネットには、昭和20年代に店内で演奏されていたSP盤クラシックレコードを収納。
当時のクラシカルな雰囲気を店内に運んでいます。
自ら語ることはないが、この店ならではの個性のある取り組みが”美学”に繋がるのだなと思いました。